三崎の郷愁風景

愛媛県三崎町<港町・漁村> 地図 <伊方町>
 町並度 5 非俗化度 7 −海上交通の拠点・九州への玄関口として発達−
 佐田岬半島の先端近く、小さな湾に囲まれて三崎の町が展開する。半島先端と大分県の佐賀関半島との間は15kmほどしかなく、国道フェリーが往来している。三崎は九州への玄関口として重要な位置を占めてきた。 

 
  三崎港を出港する国道フェリー 


 
 

三崎の町並 
 

 
 豊後水道から宇和海、佐賀関方面を一望する地にあって元亀年間(16世紀半ば)には山崎城が築かれた。江戸に入り宇和島藩の成立後、三崎浦は12の枝浦を従え、軍事的な拠点となったほか避難・中継の港として藩主の江戸参勤の折にも利用された。
 豊かな漁場に恵まれ漁業も藩政期から主要産業で、明治44年の記録では全戸数1032のうち、兼業も含めると650戸が漁業に従事していた。豊後水道でのブリ漁、内湾の鰯網漁などのほか、海士によるアワビなどの漁も盛んに行われた。九州方面や朝鮮半島方面への出漁も盛んであった。
 近年では柑橘類の栽培と漁業との半農半漁といった産業構成となっている。
 港付近は近代的な風景で町並の匂いを感じることはできない。しかしそこから山側に足を向けると密集した集落が展開し、漁村集落の集落の雰囲気が漂う。家々は商家風のしっかりとした造りが目立つのも印象的であった。
 また旅館の建物が多く目につくのも特徴だ。九州への玄関口として発達した港であることを象徴しているようで、一部を除いて現役と思われた。
 


 


 
 


 


 
          

訪問日:2021.08.06 TOP 町並INDEX