愛媛県中山町 <街道集落・在郷町> 地図 <伊予市> 町並度 5 非俗化度 9 −峠を控える大洲街道沿いの町− |
四国の西岸は海岸線の出入が激しく、また四国全体として険阻な山々が多いため、国道56号線を走ったり予讃本線の列車に乗ると峠越えや急坂が頻繁にある。この中山の町並も、伊予市方面からは本格的な山岳部を思わせる峠道を経て、谷間の狭い平地に細長く展開する。 藩政時代、大洲の城下町から郡中港(伊予市)まで大洲街道が達していた。中山は荷継場で馬も出していたといわれ、宿駅的機能もあったとされる。また内ノ子(内子町)と郡中のほぼ中間に位置していたことから在郷として町立てされ、街道を歩く旅人からも重宝されたようだ。近隣の農山村の日用品調達にもその役割を果していた。 国道56号線の西側に旧道がその面影を残す。南に向け緩やかに下り坂となりまた1箇所桝形もあり宿場町的な街村のたたずまいであった。 家並の特徴は袖壁を残す塗屋造りの家屋が目立つことで、それが海鼠壁調に装飾されていたりする。また虫籠窓を残す旧家もあり、これらの特徴は内子を筆頭としたこの付近の古い町並に共通する所である。 古い町並として地元は認識されておらず、町家や古びた商店が比較的原型を保っていた。街道越しに枝振りの良い松が見える風景など、色を添えるものもありなかなか質感も高い。保存に向けた活動を行う価値のある町並といえる。 |
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旧大洲街道沿いに展開する町並 |
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