八代の郷愁風景

島根県仁多町<在郷町・産業町> 地図 〈奥出雲町〉
町並度 5 非俗化度 10 −砂鉄生産で栄えた奥出雲の町−














八代の町並
 
 八代地区は中国山地の山懐に抱かれた小さな町で、木次線の駅が設置されている。
 松江藩領仁多郡に属していた江戸期は、砂鉄生産が盛んに行われ地内に3箇所の鉄山があったという。砂鉄採取により賑わい、また斐伊川支流の八代川流域にあり比較的平地に恵まれていることもあり、周囲の山村からの物資が集まり小規模ながら在郷商業街的な発達を示していたのだろう。
 明治期の記録には煙草、麻、酒、木炭を松江や近隣に販売していたという記録がある。
 小規模ながら一部に濃密な古い町並の風景が残り、意外性を感じさせる。特にゆるい坂道の両側に立派な商店らしい家々が建ち並んでいる風景は絵になる。
 砂鉄産業で一時代を築いた栄光は全く過去のもの、この一帯は全国でも屈指の過疎地帯であり、概ね最盛期の半分程度に人口が減少している。そんな中で町並的には奮闘しているといえよう。


訪問日:2013.10.14 TOP 町並INDEX