甚目寺の郷愁風景

愛知県甚目寺町<門前町・街道集落> 地図 <あま市>
 
町並度 4 非俗化度 7 −甚目寺の門前町 旧街道沿いに町並が残る−

 甚目寺は尾張四観音のひとつに数えられ、その縁起は推古天皇5(597)年、甚目寺連龍麿という漁民が拾い上げた観音像を祀るため、草庵を建てたのが起源とされており、当時は海岸に面していたという。修繕を重ねそのたびに規模を増し、12世紀末の大造営後には尾張でも屈指の霊場とされた。現在も多くの参拝者を迎え、正面に見える南大門は圧倒的な存在感を示している。
 門前町として発達し、古くから商店や土産物屋が立ち並んだ。特に津島上街道に沿う部分に家々が立ち並んだ。街道集落としても賑わい、『徇行記』では、「此村落ハ津島街道通リニアリ、農屋甚目寺ノ南東ノ方ニ建ナラヘリ、東入口ヲ南町、北町トイヒコヽニハ商家・旅舎入交レリ」と町の様子が記録されている。
 地図を見ると門前で県道をはじめ道が交差しており、古くから寺を中心として町が形成されていただろうことがわかる。東へのびる一本道が旧津島上街道で、古い町並としてはこの筋に残っていた。伝統的な建物は散見される程度であるが、土蔵を従えた商家も多く家々は裕福だったろうことが伺える。和ろうそくなど仏具を売る店もあった。
 現在も甚目寺を訪れる客は絶えないようで、南大門の南はずれには産業会館と称する大きな施設もあった。


 
甚目寺の南大門


 


 
 

 



 
 旧津島上街道沿いの町並
   
訪問日:2020.07.19 TOP 町並INDEX