油木の郷愁風景

広島県油木町<在郷町> 地図 <神石高原町>
 
町並度 4 非俗化度 10  −神石郡の中心地−




 油木の町並 造り酒屋付近を中心に古い町並が残っている


 油木町は県の北東部、標高500〜600mの吉備高原上に開ける町である。過疎化の激しい中国山地の中でも顕著なところで、人口は最盛期の1/3ほどに減少している。
 郡内を縦断する国道182号線はかつて城下町東城とを結んでいた道であり、また隣接する備中国から尾根伝いにやってきた街道もここで合流していた。交通の要衝として近隣の物資が集まり、古くから町が形作られていたようだ。
 産業としては、稲作は台地状の土地であることから適さず畑作が中心であり、特に煙草栽培が盛んに行われた。また中国山地一帯で盛んだった牛市も頻繁に行われ各地と取引された。人々の往来を媒介に神石郡の商業的中心となっていたようだ。
 現在古い町並として残っているのは国道の東側、かつての旧道に沿ってである。造り酒屋が一軒残っており、それに関連する妻入りの建物が3棟ほど連続している。いずれも赤褐色の瓦が葺かれており、山陰との関連を思わせた。
 緩やかに曲線を描く旧道は商店も見られるものの、全くといってよいほど人の姿を見なかった。激しい過疎化を象徴しているようであった。
 









訪問日:2009.04.26 TOP 町並INDEX