重要文化財の建物(3)

−中村家住宅−



 第二次大戦時の地上戦により沖縄本島の町はほぼ壊滅的な被害を受け、戦前からの伝統的な建物や町並は残念ながらほとんど残っていない。その中で南部の北中城村にある中村家は小高い丘陵地に位置し、現在でも沖縄の伝統的な住居の様式を残す稀少な建築である。
 
 
母屋は非常に開放的な構造となっており、風通しに配慮されている



 
外から母屋は石垣とヒンプン(屏風)で遮られ、全体像は見えない。ヒンプンに小さな門があり、そこから出入りする構造である。








屋根瓦は沖縄赤瓦と呼ばれる独特のもので、丸瓦を漆喰で固めたものである。




窓はすべて雨戸のような木製の戸であり、取り外した状態ではこのように至って開放的だ。夏場の風通しの良さと台風時に配慮され沖縄の気候に適合した構造である。 敷地の隅には馬や山羊などの家畜小屋があった。これはフールと呼ばれる豚の飼育場で、人間がここで排泄しそれを飼料としていたといわれるが、衛生面から大正頃には禁止された。大変貴重な遺構である。
通りに面しては琉球石灰岩と呼ばれる珊瑚の化石で構成された白っぽい塀が巡り、さらに福木とよばれる南方性樹木で生垣が形成され、厳重な台風対策がなされている。

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