重要文化財の建物(13)

−旧長谷川邸−

(三重県松阪市)


  松阪は多くの商人を産み、松阪商人という言葉も全国に知られ江戸に進出する者も少なくなかった。
 この旧長谷川邸は、それら代表的な商人の中でも代表的な家で建物の保存状態もよく、また古文書や商取引の記録が記載された資料など多くの資料が良好な状態で保管されており、文化財的価値が極めて高い。
 長谷川家は代々伊勢各地や尾張・三河産木綿の仕入れや資産管理を行う商家で、寛永12(1635)年に既に木綿仲買商として江戸へ出店し、木綿の他干鰯・米・煙草等を販売した。江戸後期になると松坂御為替組の総代を勤めるなど、大きな影響力を持つ商家であった。
 池や庭園を従えた広大な土地に母屋、離れ、東屋と5棟の土蔵を有している。
玄関を入ると奥まで続く通り土間があり、多くの荷が裏手の土蔵とを行き来していたと思わせる。母屋は10を超える座敷や部屋を持ち、後年増築された大正座敷という部分は二階建となり、一階部の広間は当家で最も格式の高い部分とされている。
 2016年5月に重要文化財として答申されたばかりであり、収納されている文書類、生活書道具や芸術品等の調査が2019年にかけて行われ、その結果によりこの旧家の価値の全容が見えることになるだろう。
 

 
 
母屋正面(魚町通りより) 左側の土蔵は表蔵 裏手に4棟の土蔵を有する




  
店の間に接し通り土間があり炊事場ともなっている




二階建となっている大正座敷








母屋と離れの間に残る土蔵群




離れからは池と中島を望むことが出来る

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