文化財の建物

−旧山形県庁舎及び県会議事堂
「文翔館」


 
 
旧県庁舎の正面全景
 

 
 山形県庁舎は明治10年に竣工後、同44年に大火により焼失している。その後大正5年に現在地に県会議事堂とともに再建され、現在に至っている。いずれも煉瓦造り3階建で、壁面に石貼りが施されている。火災後だけに耐火性を重視したものとなったことが、寿命を永らえる結果になったといえる。
 昭和50年まで県庁舎として使用された後、建物を保存する方針が決定し59年国の重要文化財の指定を経て、同61年から平成7年まで長期にわたる修理・復原工事が行われた。工法・材料共に極力従来・在来のものを用い、竣工当時の形に戻した。
 中でもシンボルの時計塔は、もともと銅板飾りを施されていたところ戦時の金属供出策により鉄板で代用されたままとなっていた。復原にあたっては、栃木県から錺(かざり)職人(金属板材に文様や模様を刻み込む技術を持つ職人)を招き、竣工当時の複雑な形を再現したという。
 現在、「文翔館」として無料で一般公開を行い、また会議室やホールの貸し出しも行い県民の文化活動に寄与している。
 時間の関係でやや駆け足となったことが悔やまれるが、要所は押えることができた。
 
  




正面玄関を入ると吹抜けの天井と正面に見える階段が印象的




知事室 貴賓室 




正庁(現在でいう講堂 辞令交付や重要会議等に使われた) 内務部長室 




館内点景


念入りに復原された時計塔


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