文化財の建物

-杉本家住宅

(京都市下京区)

 
 

抜群の存在感を見せる杉本家住宅
 

 
 
 杉本家住宅は洛中を代表する商家建築として重要文化財に指定されている。
 当家は寛保3(1743)年に呉服商を創業し、主に関東地方に得意先が多く繁盛したという。その後は製茶業、百貨店の経営などを手掛けた。現在の建物は元治の大火後、明治3(1870)年に再建されたもので綾小路通に面して圧倒的な間口の広さを誇り、重厚さを放っている。
 主屋は、通りに面する南側以外の三方を広い庭が取り囲んであるのが特徴的なところだ。一般に京町家では、鰻の寝床のような奥行深い土地一杯に建てられ、中間にある坪庭などで採光するのが精一杯だが、庭に面する座敷からは季節の移ろいも十分に感じることが出来る。庭には三棟の土蔵、漬物小屋、炭小屋などが設置されている。
 茶室や仏間を含めて10の座敷が配置されているが、庭を正面に眺める最も良い位置にあるのが十畳の座敷で、主人専用の客間として使われた。
 洋間も特徴的なものの一つだ。八代目の結婚を機に昭和4年洋間に改装されたもので、当時は建物の内外装に洋装が流行していた時期、斬新なものだったに違いない。
 洋間の左右に店の間・格子の間がある。通りに面した部屋で細かい格子が仕立ててあるが、室内からは外の様子が良く見える一方、通りからは部屋の様子がわからないよう工夫されている。季節や時間の移ろいにより部屋の趣も異なったものになるといい、まさに陰翳礼讃の世界である。
 売店や展示コーナーなどもありやや商業的な色合いが感じられるが、京都を代表する有名な商家建築であり、これはやむを得ないだろう。
   




 主人用の座敷と横の通路  広々とした裏庭  
 



 
東大寺大仏殿と記された屋根瓦が残されているが不明とのこと   見学者が係員の説明を受ける様子 
 



 
東大寺大仏殿と記された屋根瓦が残されているが不明とのこと    茶室 




 非常に高い台所部分の天井 かまども見事に残されている  




  洋室 杉本家にあって特異な空間である   格子の間 中からは表通りの表情を見ることが出来る 




呉服商時代の看板  献立などが記されているが客に出されたものの記録か 
 


文化財トップへ