岩間の郷愁風景

山梨県六郷町<在郷町> 地図 <市川三郷町>
町並度 3 非俗化度 8 −甲駿街道沿いに開けた商業町−





岩間の町並
 旧岩間村は富士川の中流域に位置し、駿州街道もここを通過し人々や物資の通行も多かった。身延線の駅前、県道沿いには面影は淡くなってはいるものの、歴史を感じさせる佇まいがあった。





 

 付近は富士川の氾濫原で肥沃な土地だったことから古くから農業が盛んで、木綿をはじめ大豆や雑穀、生姜などを生産していた。また酒造や紙漉きを行う者もあって、商業が栄え近隣経済の中心となった。この町を有名にしたのが農間に行われていた足袋の生産で、岩間足袋の名で知られ全国に知られていた。
 また川運と街道により交通面でも要地となり、宿駅の機能も付与されていたという。
 古い町並としては連続して残るとは言い難いが、所々に塗屋造りの伝統的な建物が見られ歴史の深い町と認識できる。一部には街路に面して奥行深く、土蔵を何棟も従えた商家の姿もあった。
 岩間足袋は明治期の日清・日露戦争時に需要が伸び生産が高まったものの、昭和に入ってからは大資本に押され衰退してしまった。現在でも町の中心といった風情で郵便局や各種機関も立地するものの、今ひとつ活気に乏しいように感じる。
 現在最も有名なものは足袋ではなく印鑑で、ハンコの町六郷として売り出されている。

 

訪問日:2009.01.02 TOP 町並INDEX