清児・名越の郷愁風景

大阪府貝塚市【街道集落】 地図
 町並度 6 非俗化度 7 −貝塚の寺内町と水間寺を結ぶ街道沿いに展開する町並−

 



 
 清児の町並
 南海電鉄の貝塚駅から南東へ水間鉄道というローカル鉄道が接続している。水間寺(水間観音)への参拝客や沿線の足として活躍しているこの路線に沿い、古くは街道の往来が盛んだった。近木川右岸の一帯は木島郷と呼ばれ、古くから開けたところで周辺の村々と貝塚寺内町を結び、水間寺、さらに山を越え紀州とを結ぶ道としても重要だった。
 その中にあって、ここで紹介する清児地区から名越地区にかけては街道沿いを中心に古い町並が濃厚に残されている。
 


 
 


 水間鉄道の清児駅を降りて東に向うとすぐに街道にぶつかる。1.5車線程度の道に沿っては長屋門風の厳かな構えがあり、重厚な屋根を持つ建物や土蔵などが見られる。付近は面的に小路が巡っており、そのような細い路地にも長屋門を従えた豪農を思わせる旧家や、立上りの高い寺の屋根などを望み、見応えのある集落景観が展開していた。
 駅にある小さな案内板によると、明治後期の1904年に街道が拡幅されたというがそれ以後も古い景観が残されているとのことなので、明治期に遡る建物もあるのだろう。
 街道を進むと直線的でなくまた少し坂道にもなっており、最近になって整備された街路ではないことはひと目でわかり、道に平行ではなく傾げるように建てられている家並は、ある時期に競うように建て合ったようにも見える。
 一旦古い建物は少なくなるが、名越駅付近で踏切を渡る辺りからまた伝統的な建て方の家屋が見られる。寺院まわりの小路も風情があり、こちらも街道沿いから横道・路地へと集落が発達していったようだ。
 
 



 
 清児地区の横路地には風情ある集落風景が見られる 
 



 
 名越の町並 

訪問日:2022.11.19 TOP 町並INDEX