角館の郷愁風景

秋田県角館町<城下町> 地図 <仙北市>
 
町並度 7 非俗化度 3  −町中に自然を強く感じる北国の城下町−



武家屋敷通りの移ろい(左・1992年10月 右・1994年1月)

青柳家の屋根付井戸と蔵
町並主体の紀行では無かったため、画像が充実していません。ご了承下さい。

黒板塀と長屋門。秋田県のほぼ中央、仙北平野北部に位置する当地の町並は、黒を基調とした家並が特徴である。この町は、江戸中期の領主芦名義勝に続き、佐竹北家が城下町として築いたもので、現在も碁盤の目状の整然とした町割を残している。
 町並は自然を強く感じさせる独特の雰囲気を持っていて、武家屋敷の庭内にはしだれ桜、針葉樹、落葉樹をはじめさまざまな木々が配され、通りを歩いていても並木の中を歩くような清々しさが漂う。黒板塀の直線的ではあるがしかし機械的な感じのしない趣がさらにそうさせているのだろう。
 この町並では四季が濃厚に感じられる。春の枝垂桜、夏の緑の木陰、秋の紅葉、冬の雪景色と移ろって行く。中でも冬は、黒と白の色彩の失われた、ツートーンの世界となり非常に独特で襟を正さしめるものとなる。
 武家屋敷は何軒か公開されており、中でも青柳家は、その規模、意匠の端部にも行き届いた武家の威厳を感じさせるのに充分なものである。庭には雪国らしい屋根付きの井戸があり、離れの「ハイカラ館」には、機械文明が始まった頃の貴重な生活用具、玩具、嗜好品、什器等が展示され興味深い。



訪問日:1991.10.29 TOP 町並INDEX