上三寄の郷愁風景

福島県会津若松市<街道集落> 地図 
 
町並度 5 非俗化度 9 −会津盆地南東端に位置する街道集落−





上三寄(大豆田)の町並
 上三寄地区は、会津若松市街地から10kmほど南で国道118号線沿いにある。山峡から会津盆地が展開し始める境界といった地形にあり、周囲には田園が広がっている。少し上流側には芦ノ牧温泉がある。
 この国道の道筋は、藩政時代に会津中街道と呼ばれていた。会津と江戸方面を結ぶ街道は、下野街道とも呼ばれた会津西街道が主要道だったが、災害時などの迂回路としてこの街路が使われていた。ただ那須山中などの険しい峠越えがあったことからあくまで代用道としてにすぎず、通常は地元の通行が主だったのだろう。
 しかし歩いてみると、家々の姿は間口に対して奥行が非常に深い俗に言う鰻の寝床状で、母屋のほかに二棟・三棟と土蔵を重ねたものもある。またその母屋も入り母屋の屋根形式を持ち、トタンに覆われたものはもとは萱葺であったと思われる。連続性が高い箇所もあり、街道集落らしいリズミカルさがある。
 また北部の南原地区を中心に、街道に土蔵が直接面して蔵並ともいえる町並風景も見られた。会津盆地一帯は、町の風景に土蔵の存在感が濃いが、それはやはり穀倉地帯だからだろうか。中には母屋が土蔵を抱き込んだような外観の邸宅も眼にすることが出来た。
 国道の通過点に過ぎないようだが、町並として見てもなかなかの見応えを感じるところである。


 
 上三寄(大豆田)の町並 裏手に複数の土蔵を持つ  




上三寄(香塩)の町並 上三寄(大豆田)の町並







上三寄(南原)の町並

訪問日:2015.09.20 TOP 町並INDEX