弓削島(上弓削)の郷愁風景

愛媛県弓削村<漁村・港町> 地図 <上島町>
町並度 5 非俗化度 10 −下弓削と並ぶ島の中心集落 路地風景が特徴−
 


 

上弓削の町並




 因島の南東に位置する弓削島は南北6km・東西は2kmの細長い島で、因島土生港から小航海を経て生名島に渡ると、佐島を経由して陸続きとなっている。島の北部にある上弓削集落は因島の家老渡地区に向合っており、両者間にフェリーも就航している。


 島は一つの村で構成されていたが、寛永年間頃に上弓削村・下弓削村に分割され、貞享元(1684)年の今治藩の調書では189軒の人家、630名の人口が記録されている。
 下弓削村が塩の生産が主要産業であったのに対し、上弓削村は漁業中心だったようだ。銀20枚の運上で鰯網代が許されていたとされ、また網元も多くいたようだ。
 家並は海岸沿いの新しい道路沿いと、一本山側の古くからの街路に沿って展開している。後者ではさらに山側に向けて路地が発達しており、そこに古い町並らしい風景が展開していた。板塀に長屋門風の門を構える旧宅、張り瓦の壁を持つ家などが密集し、別世界的な趣ともいえるたたずまいであった。
 観光客の訪れも少ないこの島にあって、ほとんど住民に意識されることなく残されているこの集落風景は貴重なものである。
 


 


   
 



 
上弓削の路地風景

訪問日:2020.08.09 TOP 町並INDEX