加茂の郷愁風景

島根県加茂町<商業町> 地図 <雲南市>
町並度 5 非俗化度 9  −木綿や牛馬の取引で栄えた在郷商業町−




加茂中の町並
 
 
 
出雲地方のほぼ中央部、斐伊川支流の赤川沿いに開けた盆地に加茂町はある。
 地区を流れる赤川はこの付近で多くの支流をすることから度々洪水を発生させた厄介な川ではあるが、一方で付近に肥沃な土地を形成し、藩の奨励もあり綿花と人参が栽培された。それまでは農家が生産した麻布と塩などの日用品が売買される程度であったが、安永5(1776)年には木綿市が開設され、木綿製品は京大坂や近江、越後などへも販売されたという。
 また文政10(1827)年には牛馬市も許可され、これは明治まで続いた。
 国道54号の東側、木次線の加茂中駅にかけて市街地が広がり、古い町並は主に赤川の堤防に近い位置に残る。数棟ほど間口の広い商家建築が印象的で、中でも妻入り屋根を持つ1棟は見ごたえがある。在郷商業町として近隣の中心であったことを物語るような町並風景である。
 これらを中心に中小規模の伝統的な建物も併せて古い町並が形成され、また洋風の外観の建物も残っていた。 
 

 
 









訪問日:2017.05.06 TOP 町並INDEX