兼山の郷愁風景

岐阜県兼山町 【河港町】 地図 <可児市>
町並度 4 非俗化度 8 −木曽川に設けられた兼山港−



兼山の町並は木曽川とはやや離れた段丘に沿い展開している
 兼山町は木曽川中流部左岸にへばりつくような位置にあり、川とともに歴史を刻んできたことは地図を見ると容易に想像できる。
 兼山湊と呼ばれた川湊は周辺山村からの産物を舟運に委ねるところであり、又自らの商工農産物を下流の町々と取引させた。湊を中心とした商業で町場が発達していき、一時は25戸もの酒屋も存在し岐阜や上有知(現美濃市)に納められていたという。
 商業活動も盛んで、川運を利用し信濃や尾張・伊勢方面にまで商圏を広げ、兼山商人の名は知られていた。代表的なものが蚕糸業で、またそこから発展した呉服産業も興っていた。さらに内陸部に立地し山地の北斜面にあることから冬期の寒気が厳しく、また山麓という環境から水には事欠かなかったことから天然氷の製造に適していて、重量物である氷も水運に任せれば何のことはなく、これも名古屋や伊勢北部まで販路を持っていた。
 木曽川の流れにやや近い位置に県道が通るが、古い兼山の町はそれより山側の緩い斜面に沿い展開している。緩い坂道を繰返す一本道に沿い町家建築が残るが、やや歯抜け状となっており古い町並として連続した景観としては余り残っていなかった。しかし木造の洋風建築なども残り、付近は町の中心らしい雰囲気を微かに残していた。
 
 









  

訪問日:2009.07.20 TOP 町並INDEX