観音寺の郷愁風景

香川県観音寺市<漁村・商業町> 地図
 
町並度 3 非俗化度 7  −燧灘に面する三豊地区の中心地−




観音寺町の町並
 観音寺市は県の西部、燧灘に面するところで県中西部の多度津や丸亀辺りとはやや一線を画する地区にある。三豊地域と呼ばれる県西端地区の中心として古くから位置づけられている。








レンガ造りの建物も残っていた




 室町時代には既に観音寺や琴弾八幡宮の門前で町が形成され、市も開かれたことから人の往来も多く、また港も形成されていた。江戸時代はその多くの時期を丸亀藩領として経過し、盛んな新田開発と漁業の発達によって中心となった観音寺村が発達した。一部には富を築くものも現れ、藩の大庄屋も存在していたという。観音寺浦は江戸初期には既に多くの水主を擁する要津となり、また近海漁業を中心とした漁村としても賑わいを示していた。
 古い町並としては残念ながら多くは残っていないが、財田川に近い旧観音寺町付近には伝統的な建物が散見される。木質感の高い長屋風の建物が残っていたり、一部では江戸期に遡ると思われるつし二階の主屋を持つ敷地の広い邸宅や、袖うだつを構えた旧家も眼にした。豪商とまでいえる商家は最盛期でもそれほど多くなかったと思われるが、あるいはその名残なのかもしれない。
 財田川沿いには旅館建築が目立つ。料理旅館風の和風の建物が連なり、町の規模からしても特異な風景であるといえる。


訪問日:2011.08.14 TOP 町並INDEX