狩川の郷愁風景

山形県立川町【在郷町】 地図 <庄内町>
 
町並度 4 非俗化度 10 −最上川が平野に出る結節点に発達した町−

 
狩川の町並
 

 
狩川地区は内陸盆地の諸河川を集めてきた最上川が山峡地帯を経てようやく平野部に達する位置にあり、庄内平野の入口に当たるところである。
 中世には狩川城(楯山城)が存在し、関ヶ原の役後にこの地を統治した最上義光により町の基盤が形成されている。支流の立谷沢川に堰を設けて庄内平野一帯に用水路を建設するなど、地形を利用して平野部の要の位置としての地位を強化した。
 東に隣接する最上川本流沿いの清川は水運の拠点となったところである一方、狩川には河港町としての機能はなかったようで、在郷町としての賑わいが主だったようだ。しかし流域の平野への入口にあったことから物資の集散が盛んに行われたことは間違いなく、それを糧とした商家が多く立地したのだろう。
 陸羽西線の狩川駅の南側、東西の通りとそこから南に分岐する街路に沿い伝統的な建物が見られる。この辻付近が古くからの町の中心だったのだろう。多くは妻入りの姿を示し、一部には庭を持ち塀を従えた厳かな邸宅も見られる。百貨店との看板のある古びた建物もあった。屋根は全体に黒瓦であり、渋く落着いた町並であった。

 









訪問日:2012.08.13 TOP 町並INDEX