金浦の郷愁風景

岡山県笠岡市<漁村・港町> 地図
 
町並度 5 非俗化度 10 −奇祭が伝わる古い港町−





深い入江の再奥部に位置する金浦地区。河口部にあるこの屋敷がこの町の過去の繁栄を語り継いでいるようです。




金浦の町並 金浦の町並




金浦の町並 金浦の町並

※全て2005年2月再訪問時に撮影した画像です。
 


 笠岡市は岡山県の南西端に位置する小都市で、かつて鴨方往来の終点であり、廃藩置県後も岡山県に吸収される前、その前身の小田県の県庁が置かれておりこの地域の中枢をなす町であった。JR笠岡駅の東側には、車窓から土蔵が連続して見られ、笠岡市を代表する町並景観となっているが、ここではその西側1キロほどにある金浦地区を紹介する。
 金浦(かなうら)の名は古くは平安期の書物にも登場するという非常に古い歴史を持つ。近隣の漁業の中枢をなすところとして開けてきた。瀬戸内海の海運の中で、西回り航路の盛んであった頃は、主要港ではなかったようであるが寄港地の一つともなっていたようである。
 今でこそ笠岡湾は干拓が進み海は遠ざかっているが、入江はこの集落の辺りまで食い込んでおり、海の香りも感じられる。
この入江の東側に、港町、漁村として栄えた古い家並が残る。格子がよく保存され、多くの旧家では土蔵を従えている。中でも入江にかかる橋のたもとにある屋敷の規模は相当なもので、漆喰が塗られなまこ壁に彩られた土蔵に囲まれ、母屋は本瓦が見事に残り、通りに面しては親子格子、虫籠窓、二階部の出格子などが見られる。
 まったくといって良いほど知られていないが、古い町並として見てもなかなかの見応えがある。
 なお、この金浦地区には「ひったか」「おしぐらんご」という伝統行事がある。旧暦5月5日頃に連続して行われる祭事で、いずれも源平合戦が起源といわれている。前者は入江を挟んで両側の山腹に提灯で模様を描き優劣を競うものであり、後者は内湾に和戦を浮べ早さを競うものである。いずれも源氏方・平家方に分かれて行う競技である。この辺りからもこの地区の歴史性の高さが伺えるところである。

 

訪問日:2011.11.23
(2005.02.20再取材)
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