寺の郷愁風景
大阪府交野市【農村集落】 地図 町並度 6 非俗化度 9 −古い修験の道の出発点にあった農村集落− |
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小路に沿い豪農を思わせる家々が連なる寺地区 | |
交野市寺地区は市域中央やや北寄り、東側に龍王山などの山地を控え緩やかに起伏する一帯にある。寺という地名は古代に寺院が存在していたからとされている。 JR線と京阪線が交わる河内磐船駅周辺は郊外地の匂いしかしないが、1kmほど東に歩き住宅団地横の脇道のような緩やかな坂を上ると、「寺灯籠の辻」という看板が目に入る。道端に何基か残る古びた灯籠は周辺の各寺社の講によって建てられたものといわれている。龍王山の麓付近は古くは修験の地とされ、ここから大和へ抜ける道が古くからあり、かいがけ(峡崖または貝掛)の道と呼ばれていた。熊野への参詣道としても使われたと伝えられており、そこからも重要な地であったことが推測できる。 寺灯籠の辻から路地が枝分かれし、集落は複雑な様相を示している。屋根を冠した板壁に囲われた屋敷型の邸宅が目立ち、豪壮さを感じる。宝永2(1705)の棟札が残り、代々庄屋を受け継いだという重要文化財の山添家住宅を筆頭に、門や土蔵を従えた邸宅が連なり、それらが曲折と枝分かれ、合流を繰り返す迷路のような路地に沿って展開している。見通せないだけにその先に立派な邸宅が現れたときの印象は強いものがある。 大阪府下には豪農を思わせる家々が密度が濃く連なり、古い町並を形成しているところが多々あるが、この寺集落は中でも印象度の濃いものがある。 |
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訪問日:2025.01.03 | TOP | 町並INDEX |
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