北谷町の郷愁風景

福井県勝山市<山村集落> 地図
 
町並度 4 非俗化度 10  −加越国境峠下の谷間に息づく集落−  


北谷町の集落風景


 奥越の城下町・勝山から石川県白峰に抜ける国道157号。峠道の途中に味わいのある山村集落があるとの情報を得て訪ねた。
 九頭竜川の支流・滝波川の谷が狭まり、いよいよ山岳部に差しかかろうという地形のもとに展開する。
 明治中期から昭和29年までは北谷村という独立自治体で、明治24年の記録では米753石、稗978石、煙草565貫、繭174石など純粋な農山村であった。養蚕や製炭業、冬の出稼ぎ業などで生計を補うことが多く、焼畑農業も行われていたという。
 加賀への峠下の集落であったことから、歩荷や馬車引きなどの賃労働に依ることも多かったそうだ。
 斜面に取り付いて高度を稼ぐ国道からは谷底に位置するため、集落の存在に気付きにくい。谷間に下ると、緩やかな斜面に耕作地と散在する家々が眼につく。印象的なのは土蔵の多さで、家屋より土蔵の方が多いような感触も受ける。ただその風景は母屋が失われ土蔵だけが残っているからなのか。
 所々に水舟(水槽)が置かれ田畑や民家に分配されており、水のある風景も印象的だった。




あちこちで見かける水舟





訪問日:2018.08.11 TOP 町並INDEX