中福田の郷愁風景

岡山県川上村<市場町・街道集落> 地図 <真庭市>
町並度 4 非俗化度 10 −神社を中心に市が開け発達した−





中福田地区の町並 左は福田神社


 蒜山高原と呼ばれる旭川の上流域に開ける高原盆地、その一角にある中福田・上福田地区は大山往来という街道沿いに立地したところで、宿場としての指定はなかったようだが古くから集落が発達した所のようだ。
 中福田地区では集落中央に鎮座する福田神社の姿が印象的だ。その立派な構えは現在の家並とは不釣合いなほどで、多くの文化財も所有している。この地区が通称宮脇と呼ばれているのも福田神社との深いつながりを感じさせる。既に18世紀前半頃には市が開かれたとの記録があり、牛馬をはじめ各種商品が取引されたという。市を要とした街道沿いの商業町として発達を見たのだろう。
 集落は神社を中心に東西に街村らしい佇まいを示していた。サッシ戸に変わっているものの、多くは1階が開放的な構造となっていることからかつては商店が連なっていたらしいことがわかる。また、トタン屋根が目立つのは冬の積雪が多いことを物語っているようで、伯耆との峠近くで厳しい環境にある様子がうかがえた。
 家並の間には清冽な水の流れがあり、山間集落らしい風情であった。









訪問日:2022.05.01 TOP 町並INDEX