第16号 (2022.10.29発行)

第18回いらかぐみオフ会

2022・10・15〜16


懇親会場となった「旅館・群鶴亭」
 
 
 いらかぐみの定例オフ会が前回実施されたのは2019年。この2年間は、コロナ禍の影響を受けオンラインでの開催を余儀なくされた。その間、各メンバーは工夫しながら活動を続けてきた。
 しかしその間に、2人がいらかぐみのメンバーから外れることとなった。
 最年長メンバーとして会を牽引し、オフ会時の卓越した段取りを見せて来られた七ちょめさんが年齢的な理由もあり活動に参加するのは止めたいとの申し出。
 そして今年初めには、Kさんが逝去されたとの急報が入った。
 そこで何とか今年はオフ会を開催できないかとの思いで、秋に実施することししその内容について検討を重ねた。目的はまずKさんの墓参、そして七ちょめさんにも会に参加されずとも何かの形でお会いできないか。そしてメンバーでの会合場所、これらが折り合うものとして以下の案に落ち着いた。
 15日はまず七ちょめさんの地元に近いJR高槻駅に集合し、近くの喫茶店でミニ懇親会。七ちょめさんと別れKさんの墓参に向い、その後旅館で夕食と懇親会というスケジュールとした。16日は朝食後、基本的にはメンバー各自の行動とした。
 但し、太泉八雲さんは業務の関係で不参加、辰巳屋さんは自家用車での2週間にわたる探訪旅にこの会を組み込まれるとのことで、墓参から現地合流することとなった。



高槻駅付近にて
 各地から高槻駅に集合した辰巳屋さんを除く5名。全体での会合は久々なので実際会うのが3年振りというメンバーもあり、改めて思うとかなり久々だ。七ちょめさんも前回の美濃オフ会以来にお目にかかるが、しかしどう見ても当時と変わらない様子にしか見えない。早速駅近くの喫茶店に移り暫し語らいの場を持った。七ちょめさんの近況を中心に、1時間余りあっという間だった。これまでのオフ会と同じく、饒舌に話される懐かしい姿そのものだった。
 今後も以前と変わらずオフ会に来ていただきたいのは山々だが、ご本人の自覚あってのことなので、致し方ない。
 七ちょめさんからは今晩の懇親会のためにお酒とおつまみ等の差し入れを頂いた。
 




 山岳集落らしい風景が展開していた
 レンタカーで一同4名は墓参に向う。Kさんの墓地は兵庫県北部の旧村岡町山間部にある。時折里帰りするが雪深いところと時々伺っていた。最近になって専用道が整備され、和田山付近までスムーズに到達することが出来るとはいえ2時間半ほどかかる道のりだ。国道9号に入り村岡町への峠を越え、しばらく走ると待ち合わせ場所に辰巳屋さんを発見。辰巳屋さんは最近宮崎県に転居され、ここまででもかなりのロングドライブでお疲れ様である。今回の会合を足掛りに伊勢方面の探訪を計画されているという。
 5名編成となった一同は墓地のある集落へ。急峻な道を15分ほど走ると、標高約500mの緩やかな斜面に家並が展開している。南側は険しい谷間と対岸の山並が雄大に見渡され、山岳集落と呼ぶにふさわしい情景である。
 実は墓地の詳しい位置は事前に突き止めることができなかった。集落内には幾つか墓地があるが、Kさんと同じ姓の墓も多くなかなか難儀する。地元の方何名かに情報を聞き、ようやく探し当てることができた。
 オフ会会場の宿に向うと、必ずその近くでスケッチをしながらメンバーを待っていたKさんの姿。われわれはそれを思い出しながら、ささやかなひと時を過ごした。その後集落内を歩くと、胸を蓋がれていたものが少し軽くなったような気がした。急な訪問・質問に親切に対応いただいた地元の方々には改めてお礼を申し上げたい。


  Kさんの墓の位置を探すメンバー


 短い秋の日、既に日が傾きかけ夕方を感じさせる。名残惜しくも本日の宿へ向う。和田山にある「旅館群鶴亭」という宿。もとは料亭で、明治22年には料理店の登録として名があったそうで、少なくとも130年ほどの歴史を持つ紛れもない老舗だ。屋号としては江戸時代から受け継がれていると言われている。
 部屋に案内された後、女将に他の部屋も案内いただいたが、特に1階には茶室風の部屋、床に立派な一枚板のある部屋など凝った造りで元料亭というのもうなづける。オフ会会場にふさわしいものだった。
 懇親会は夕食後続き間の六畳間で行った。会そのものには参加が叶わなかった太泉八雲さんも、現代のことネット参加という手がある。計6名が揃い、様々な話題が続いた。久々のこの雰囲気、気付くと0時近くになっていた。
 旅館群鶴亭の玄関付近  




旅館一階には凝った意匠の部屋も 


 翌朝。遅くまで呑み語っていても必ず早朝の町並散歩をするのが絶対的行事となっており、今回ももちろんそれに従う。
 和田山は山陰街道筋から播磨への街道が分岐し町が発達した所で、古い町並を残している。多くのメンバーは再訪問となるが、メンバーで歩くとまた違った視点も得て新鮮である。神社の門前とそれに続く繁華街、裏道にも店が連なっていたか、そういった推測をしながら歩くのは楽しいものがある。私の個人探訪では目につかなかった医院建築なども押えることができた。
 湯豆腐付きの豪華な朝食後、全体のオフ会としてはここまでとなった。孫右衛門はその後豊岡の町並探訪などを行ったが、他のメンバーは南但馬の養蚕集落を回ったあと、個々人の事情に合わせ順次解散したようだ。
 さて、来年は「いらかぐみ」発足から満20年となる。会費や会則もなく年1度のオフ会がメインの緩い会だが、20年も続くとは大層なことと思う。二人の年配メンバーが離れ平均年齢は若返り、私としては更に新たなメンバーを迎え入れるのもひとつと思いながら私も帰路についた。
 

−孫右衛門 記−




早朝探索の様子
 

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