川原石の郷愁風景

広島県呉市<港町> 地図 
 町並度 3 非俗化度 8 −呉の商港として発達−
 




海岸二丁目の町並

 呉市域南部の川原石地区は、港を中心として賑った町である。特に明治になって呉が軍都的色彩を強めて以降、町が大きく発展した。明治33年に軍港要港規則制定により商港に指定され、軍港としての呉の町を支える民間の港として多くの船舶が発着した。
 明治末期には西側に位置する吉浦に商港の地位を譲ったが、以後も各方面への定期線が発着し港としての役割を果し続けた。
 呉市中心部は軍港ということもあり戦時に徹底的な空襲を受け、市街中心地域はその際にほぼ壊滅しているが、市街地を取囲む山の外側に位置するこの町は辛うじて残り、旧来の姿を比較的残している。
 国道の一本山側の街路がかつての中心であったのだろう。商店の姿が目立ち、一部には町家風の大柄な邸宅、洋装の建物も見られる。土蔵を従えた姿も目立ち、港町として栄えていた過去がうかがえる。また西部では路地が迷路状に入組んだ区域も見られ、山手の地区に向け無秩序に住宅地が展開している。
 現在、国道付近より海側が埋立てられ、近代的な港湾や商業施設などが立地している。




海岸一丁目の町並 海岸二丁目の町並




海岸二丁目の町並

訪問日:2016.04.16 TOP 町並INDEX