 |
石舞台古墳を筆頭として数多くの史跡が存在し訪ねる人の絶えない明日香村。ここで紹介するのは中心地域から遠い山間部の静かな集落だ。 栢森地区は高取町と境を接する谷間に細長く開ける。 豪農集落といった印象で、土蔵を従えた敷地の広い邸宅、厳かな門を構えた農家宅などが町並景観の中心をなし、厳かさを感じさせる。もと茅葺だったのか、トタンに覆われた立上がりの高い屋根を持つ旧家もあった。 明日香の観光客も少しは取り込まれているらしく、奥明日香と銘打って古い家屋がギャラリーとして利用されていたり、軽食を供する施設もある。確かに大和らしい風格を感じさせる佇まいだ。 中世以来の古い歴史を持つ集落だが、江戸から明治にかけての記録では大百姓は存在せず、一寒農村に過ぎなかったようだ。それでも現存する家々に風格と威厳が漂っているのは、大和の農村の矜持といったものを感じさせる。 |
 |
|
| 栢森の町並 | |
 |
 |
 |
|