金田一の郷愁風景

岩手県二戸市<宿場町> 地図 
 
町並度 4 非俗化度 10 −温泉も湧く奥州街道沿いの町−









金田一の町並

 二戸の市街地から北に5kmほどで金田一地区に至る。1972年に福岡町と合併して二戸市の一部となっているが、それまでは金田一村という独立した自治体であった。
 温泉地区から馬淵川、国道を挟んで旧奥州街道の道筋が残る。町場は早くから形成され、高札場なども設置されていたという。元禄16(1703)の『伝馬条目』では、福岡までの駄賃銭は34文、三戸までは106文とある。また『邦内郷村志』には馬三九六とあり、馬の生産が盛んだったことがわかる。貞享5(1688)年には捨馬禁止の高札が立てられ、馬荷を過重にすることも禁ずるなど大切に扱われていた。
 町場の外れには馬淵川の渡しもあり、『新撰陸奥国誌』には「馬淵川に巾五十間の渡あり」「中町より東に入を舟場町と云」と記されている。
 産物はこの地域としては比較的米作が盛んで、他に藍・煙草・漆・蝋などがあった。
 旧市街地は国道4号の西側、旧東北本線であるいわて銀河鉄道線の線路西側に展開する。格子の残る旧家、真壁の塗屋造りなどが見られる。家並の密度がそれほど高くない点がやや残念であり、土蔵だけとなっている姿もあった。しかし街道集落らしい整然さを感じる町並が続き、一目で古い集落であることがわかる。但し国道沿いに大型商店などができているためこの旧街道沿いはひっそりとし、無住の家屋も散見されるようでやや寂しさを感じる町並であった。

 金田一は温泉地としても知られており、古くは湯田と呼ばれ湯治場として知られ現在も田園地帯に旅館が散在している。
金田一の町並 駅に近くなると商家や看板建築などが現れる


金田一温泉の旅館

訪問日:2018.04.28・29 TOP 町並INDEX