岸和田の郷愁風景

大阪府岸和田市<城下町> 地図
 
町並度 5 非俗化度 7  −勇壮なだんじり祭りで有名な城下町−








紀州街道沿い本町の町並は黒漆喰に塗込められた町家が連なり、何ともいえぬ重厚感を放っています。



 



本町筋から横道に入った辺りの町並 本町筋の町並
 

 岸和田市は大阪府の南部、和泉地方に属する町である。南海電鉄の列車から岸和田城が見渡せる。天守閣を持つ本格的な城で、慶長2(1597)竣工と言われる。
 市街地は一見、全く開発され尽くしたように感じられるが、岸和田駅から歩いて15分の本町近辺へ足を向ければ、城下町らしい伝統的なたたずまいに触れることが出来る。ここはかつての紀州街道で、城下の一部でもあった。城の南側の、現在の岸城町といわれる付近に武家町を置き、その西に位置するこの本町、魚屋町などは商人町、町人町であった。街道のほか海にも面しており、物資の集散地としても繁栄したこの岸和田は、この地区を中心にしっかりした建物が江戸期から建ち並んでいたのだろう。幹線道路からそれたこともあり、街道集落的に町家がこの本町筋に連続している。
 全て平入りで中2階、虫籠窓を設置しており本瓦葺も残っているのは珍しいことではないが、塗込られているのが白漆喰ではなく、黒漆喰が多いというのが特徴的である。これほど黒漆喰の町家が集中しているのは、西日本では珍しいのではないか。
 この町の代名詞ともなっているだんじり祭りは毎年9月に行われ、この町家群の低い屋根をかすめて山車が引き回される。放映される映像の中でこの渋い家並を見た方も多いだろう。華やかな祭礼の背景であり続けても、この町並が注目されることはほとんどないが、歩いてみると新建材で格子などを改修された家や、外来者を受け入れる施設も新設されているようで、次第に外に目を向けられた町並になりつつあるようだ。




本町の町並 北町の町並



訪問日:2003.07.13 TOP 町並INDEX