北片辺・南片辺の郷愁風景

新潟県相川町【農業集落】 地図 <佐渡市>
 
町並度 5 非俗化度 10 −佐渡島北部の海岸の農村集落−








北片辺の町並
 

 佐渡島の北西部、外海に面して北片辺及び南片辺の二集落が海岸線に連なっている。ほぼ連続して1km余りに及ぶため、相川の市街地以北では最も集落規模が大きいところといえるだろう。
 古くは一つの村であったようで、それぞれ北所・南所とも呼んでいたという。弓状の緩やかな浜に接して集落がひしめくさまから、その由来を潟辺とみる古老もあるという。
 立地そして町並景観からも港町・漁村系であると思える集落であるが、実際は両集落とも農村集落である。確かに南片辺地区の海側は、高波を十分防御できる立派な堤防があるだけで、漁港らしい姿ではなくその外側には船も係留されていない。
 前面の海より背後の奥山と呼ばれた山地が生活の現場であり、製炭・牛の飼育・畑作などの耕作農業他様々な農業が行われていた。農間には薪を切り出して相川の町に積送っていたという。
 また北片辺の山間部には鉱山もあり、江戸期には一つの産業として稼がれていた。
 両集落とも板貼りの家々が連なり、歴史的・産業的よりも環境的な特徴が感じられるという印象である。島の海岸部の集落というと港町か漁村という一般的イメージを覆す2つの町並だ。





南片辺の町並

訪問日:2017.05.02 TOP 町並INDEX