北小松の郷愁風景

大津市北小松<漁村・宿場町> 地図
 町並度 4 非俗化度 8 −古くからの半農半漁の集落 街道の宿場でもあった−

 
 



 
 妻入り家屋の目立つ北小松の町並 


 大津市北小松地区は現在の大津市域の最北部にあたり、市街中心からは20kmほど隔たっている。
 琵琶湖岸沿いに集落が発達し、半農半漁の村だったが湖の恵みを得て漁獲は多かった。江戸前期の慶安期で既に漁船を含む丸船33艘の記録がある。明治以降では、ヒウオ(鮎の稚魚)、シジミなどの漁獲が盛んで、後になって鮎の地引網が発達し、大正の頃には佃煮が名産品となった。
 湖西地区を貫く街道も古くから開かれており、北国脇往還、西近江路などといわれ大津と敦賀とを結んでいたこの北小松には宿駅の機能があり、街道の往来も引き受けてきたことから商業も発達したに違いない。今歩くと主に妻入りで堂々たる立上りの屋根を持つ家々が散見される。明治38年に焼失33戸を数える大火があったため、それ以後に建てられたものだろう。
 家々の建ち方や町並風景からは、漁村的なイメージはあまり強くない。集落周辺が広々とした平地であり、漁村によくある狭苦しい密集型の路地風景とは異なり、農村集落的な趣である。見応えのある大柄な建物が幾棟が見られる一角はもと宿場町に由来する街道集落といった風情もあった。
 湖岸から見る集落の風景も、なかなか風情あるものだった。
 
 



 
 

 


 
 

湖岸から見る集落

    

訪問日:2025.01.05 TOP 町並INDEX