神西の郷愁風景

島根県出雲市【在郷町・街道集落】 地図 
 
町並度 3 非俗化度 10 −山陰街道沿いに街村的に連なる町並−



神西(西神西町)の町並


 神西地区は出雲市街地より5km余り南西、田園地帯が広がるところで北側には神西湖がある。国道沿いからは外れており静かな家並が連なっている。
 地名は神門郡の西部に位置することから名付けられたものという。
 

 中世には荘園が置かれ、また当時神門水海と呼ばれた神西湖に通じる水運があり港湾の機能も持っていたとされる。
 旧山陰街道沿いであり、町並は街村的な展開を示している。やや古い家屋が軒を連ねる箇所もあるが、塀内に土蔵を従えた邸宅も幾つか眼につくことから宿駅機能や街道集落的要素は淡かったものと考えられる。農村集落寄りの小規模な在郷商業町だったのだろう。
 街道が現役だった頃から町場が発達していたかは定かでないが、洋風の建物が残存していることから鉄道開通の頃以降には地区の中心的集落であったのだろう。
 この西神西町の家並を西に向うと一旦少し家々が疎らになるが、神西湖に注ぐ小河川をまたぐ辺りから再度まとまった家並が現れる。三部地区の町並で、こちらも旧街道に沿い集積したところなのだろう。面白いのは西神西地区が赤銅色の石見系の瓦が主流であるのに対し、ほぼ黒色系の瓦で統一されている点だ。数百メートルに近接している両集落だが、歴史的文化的には別の発展を経てきたのだろう。




神西の町並




神西の町並 三部の町並



三部の町並

訪問日:2015.07.19 TOP 町並INDEX