金毘羅門前の郷愁風景

香川県琴平町<門前町> 地図 
 町並度 5 非俗化度 2  −金毘羅さんの門前町の町並−





 金刀比羅宮参道の町並

  参道の町並





金刀比羅宮本殿 参道の町並 正面は老舗旅館・敷島館




参道横の路地の町並 参道横の路地(琴平駅周辺)の町並
 

 金刀比羅宮(金毘羅さん)は全国的にも三指に入るほど有名な神社である。殊に四国と瀬戸内地域にあっては、中央に向う交通路の他は琴平を中心に街道及び航路が巡っていたといっても、強ち過言ではない。江戸期頃の文献からは、琴平と宮島、そして吉備津(宮内)が参拝の旅の典型で、かつ豪遊ルートであったことがわかる。
 四国各地の陸路、そして多度津などに発着する船での参拝者が全て結集したこの町かつての賑わいは、誠に想像を絶するものであっただろう。伊勢参りと並んで金刀比羅宮に参ることは人生の一大イベントとも言うべきもので、江戸期に入ると江戸や大阪からの参詣者も増え、その賑わいに乗って慶長年間には他国から門前に移住する者もおり、歌舞伎の興行など求心力もたかまった。
 当然のことながら遊女も存在した。町は早期から遊女禁止の触を出していたにも関わらず、大型の宿屋も多く存在したことから後には半ば公然となり、酌取女を置く宿を茶屋、置かない宿を旅籠として区別していた。
 現在、町を流れる金倉川付近から本格的な参道らしい、賑やかな道が始まっている。木造の華美な古い旅館、土産物屋が続く。私が訪ねた時は年明け早々、初詣客でごった返し郷愁を感じることは困難であったが、平時ではじっくりと門前町の風情を味わえることであろう。
 参道から外れた細い路地も蜘蛛の巣の中心に集まるように参詣客が行き来していたのだろう、商家らしい平入りの町家が所々に残り、古い町並らしい姿を残していた。
 金刀比羅宮は海の神様であり、境内には海や船に関わる絵馬が展示された絵馬堂などもあり、瀬戸内の古い港町に行くと金刀比羅神社などが多数目に出来るのも肯ける。



参道の町並



訪問日:2004.01.02 TOP 町並INDEX