口目ヶ市の郷愁風景

高知県東津野村<農村集落> 地図  <津野町>
 
町並度 4 非俗化度 8 −伊予とのつながりもあった最奥部の山村−



 


 
口目ヶ市の五藤家住宅 
 
 四万十川支流である北川上流部、芳生野丙と呼ばれる一角に口目ヶ市という地区がある。現在の姿は農村集落ではあるがが市と付くからにはかつて商店が並び市が開かれていたところと想像できる。
 三方は深山に阻まれ、標高500m余りの袋小路のようなところにある。しかし意外にも峠を挟んで伊予からの行商人、買い付けに訪れる人も多かったという。伊予側の山村一帯に商業町がなかったからと思われるが、それにしても四国カルストと呼ばれる標高1000mを超える高原を越えて来るしかなく、往来は困難を極めただろう。芳生野村は茶や楮などが生産され、峠道の入口でわずかな平地のある口目ヶ市に商店が立地していたのだろう。宿屋もあったと云われる。
 現在は斜面に沿い、わずかな人家が見られるだけのところであるが、そんな中に小さな看板のある旧家があった。五藤家住宅とあり、江戸中期からこの地で医業を行っていたとある。往診の折には馬が使われ、馬屋が残るなど貴重な住宅遺構である。その他の家屋も1階が開放的で商店を思わせる造りが見られ、朧気ながらも賑やかだった時代が感じられるようだった。
 谷間に降りると茶畑が広がっており、民家との取り合わせが風情ある集落景観を形成していた。


 


 
   


 


 
   
   

訪問日:2022.09.24 TOP 町並INDEX