阿賀の郷愁風景(2)

広島県呉市<漁村・商業町> 地図 
 町並度 4 非俗化度 10 −斜面上にも展開する特色ある集落 石垣も特徴−





阿賀南8丁目の町並 路地に沿い商家風の建物も見られる


 


斜面にかけても石垣が築かれ家々が連なっている


 現在の呉市中心より東側に山を一つ隔てた阿賀地区は、川を挟んだ東側の広地区に挟まれてやや地味な印象である。最近になって市街地へ抜けるトンネルが整備され、国道は交通量が非常に多い。
 平地に乏しく、北側は斜面をかけ上げるように宅地が造成され、南側はかつての海岸線に沿って細長く集落が展開する。現在安芸阿賀駅のあるあたりから南側は埋立てによって造成された土地である。
 ここで紹介するのは地区の南端に位置する阿賀南8丁目の風景である。地元では大入地区と呼ばれており、バス停や公共施設にもその名がある。休山・高烏山などの山地が半島をなし、この地区を含む東岸一帯は山が海に迫り、僅かな平地を求めて集落が立地している。
 海岸のバス通り沿いにある駐在所付近から延びていく街路がメインのようで、家々はやや大柄で商家風の建物も見られた。街路といっても軽自動車がようやく通れるほどの幅でしかない。斜面を工夫して宅地化しようと石垣が多用され、母屋は派生する路地に面しており街路には土蔵のみが接するなど、様々なそして複雑な建て方が見られる。
 一段高いところへは階段が通じ、そこから等高線に沿うような形で路地が巡りまた新たな家並がある。そういったところにも木造三階も一部見られるなど、零細な漁村ではない様子に見えた。地区の詳細な歴史は今一つ判らないが、何らかの産業が発達していたのではと思われた。
 




立派な入母屋屋根を持つ家 木造三階の家屋も見られる


阿賀の郷愁風景(1)

訪問日:2021.12.26 TOP 町並INDEX