黒坂の郷愁風景

鳥取県日野町【陣屋町】 地図
 
町並度 4 非俗化度 8  −日野川に沿う小さな陣屋町−






日野町黒坂は県南西部、日野川に沿うわずかな平地に町が開けている。
 今は小さな集落であるが、17世紀前半に関氏が鏡山に築城し城下町を建設した。池田氏が因幡・伯耆を支配するようになるまでの短い間だったが、政治の中心としての機能は残り、以後も鳥取藩の重臣が配置され黒坂陣屋として幕末まで続いていた。
黒坂の町並
  

 

 日野川の谷あいに沿う日野往来が町の中心を貫通していたこともあり人の集う地ともなりにぎわったのだろう、在郷町的に各種商家も立地し、明治初年の記録では大工12軒をはじめ檜皮職人7、旅籠屋5、魚屋4、医師3などとあり、その他紺屋や煙草屋、屋根職など各種の商人職人が存在していた。往来の人馬継立も行っており、宿駅的な機能もあったとされている。
 この付近は2000年に発生した鳥取県西部地震の震源地に近く、黒坂の町も大きな被害を受けている。しかしそれでも伝統的な建物が原型を比較的保っている。最近の同じ時期に手が加えられているためか、小ざっぱりとし清潔感を漂わせるような佇まいであった。
 町家建築が主だが、厳かな門を持ち塀をめぐらせた邸宅もあり、陣屋町時代を思わせるものもあった。
 
 
 










訪問日:2011.06.19 TOP 町並INDEX