串本の郷愁風景

和歌山県串本町【漁村】 地図  
 町並度 4 非俗化度 8 −本州最南端 商家も見られる漁師町−

         




串本の町並 商店街となっているエリアにも伝統的な建物が挟まっている


 串本町は本州最南端の町。潮岬のある半島との陸繋砂州上に市街地が開け、紀勢本線も国道42号線もここで大きく方角を変える。
 江戸の初期の頃までは寒村に過ぎなかったこの地も、17世紀後半の貞享期に130軒、江戸後期の天保期には350軒と着実に増えていった。その要因は潮岬沖という好漁場を控えた好立地によるものであった。
 対岸の大島が商港として発達する一方で、串本は基本的に漁村であり続けた。特に鰹漁が盛んで、好漁場であるだけに他国船も多く押し寄せ、漁場争いも絶えなかったという。
 特急も停車する大きな町であるから、国道沿いに一通りの商店が建ちならぶ。低平な陸繋砂州は市街地となっており、国道の一本内側に古くからの商店街があった。
 そんな中に、石垣と厳かな門を持つ邸が異彩を放っていた。敷地も非常に広く、この町には不似合いにも感じるほどだ。他にも数棟の見応えのある門や土蔵を持つ邸宅が見られ、それらはこの町並の印象の多くを占めるものであった。それほど鰹をはじめとした漁業はこの串本に恩恵をもたらしたものなのだろうか。
 そういう意味で、意外性の町並という印象であった。








 市街地には豪壮な邸宅が散見される

訪問日:2015.12.28 TOP 町並INDEX