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大田市街地の北東はずれの海岸線にある二つの町並をここで紹介する。いずれも江戸時代からの港町であり漁村であった。 |
波根の町並 | |
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波根の町並 | |
山陰本線に波根と久手という駅があり、付近はこの地域としては比較的平地に恵まれている。 波根は石見国最東端に位置し、出雲との国境にあるところであった。港は大森の銀の積出を担うほか、国境警備の役割も持っていた。 集落は海岸に平行に連なる部分と、直角に細い流れに沿い街村的に続く部分とにわかれ、特に後者で伝統的な建物が散見される。中心にある波根神社は集落の規模に比べ大きく、荘厳なたたずまいを見せている。歴史深い町であることは確かなようだ。 伝統的な家屋は商家的な外観で、それはこの町に漁村的な要素が少なく、商港としての営みが主体だったであろうことを示しているようだ。丘の裾を緩やかな曲線と勾配を持って連なる町並であった。 一方、西側に接する久手地区の背後にある低地はもと沼地だったという。岐阜県や愛知県付近を中心に多い地名の湫などと同じく、湿地や土地の窪んだところという意味をがあるという。 町並は湿地と日本海に挟まれた砂丘地帯に展開し、土地の起伏はほとんどない。こちらも漁村集落らしい路地が密集した姿ではなく、面的に広がる市街地型の展開だ。ここも江戸時代には港町として位置づけられており、波根よりは少ないが商家の建物、土蔵などが見られる。一部には広大な敷地を塀で囲んだ邸宅の姿もあった。 |
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久手の町並 | |
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久手の町並 |
訪問日:2011.11.13 | TOP | 町並INDEX |
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