久田の郷愁風景

新潟県出雲崎町<農村集落> 地図
 
町並度 4 非俗化度 10  −日本海沿岸に開ける農村集落−

 

 出雲崎町の北端付近に位置する久田地区。読みはくったと発音する。
 日本海に面し、古くは地内の高台に久田城が構えられていた。鎌倉時代から戦国時代にかけ各氏が居城し、時代が下って戊辰戦争時には海への眺望性から砲台が置かれた。
 
日本海に沿う久田集落  
 



 
集落内では茅葺屋根を持つ家屋が数棟見られる


 江戸期には最初幕府領や椎谷藩領の時代もあったが、多くの期間与板藩領に属していた。藩域随一の製塩が盛んな所で、宝暦年間に越後各地を記録した地誌『越後名寄』にも「三島郡浦々掛塩の場所」として当地が挙げられている。
 この集落の特徴は海岸に面するにもかかわらず漁村らしい空気が全く感じられないことだ。家々は海岸に密集する形ではなくやや離れた位置に散在的に見られる。壁面が板張りであることは海風、季節風対策であろうが、茅葺屋根の建物が数棟見られることがさらに農村集落的な風情を強めている。情報によると、数十年前にはかなりの割合で茅葺屋根の家々が見られ、農村集落がたまたま海岸部にせり出した場所ではと推察されている。集落の背面は海岸段丘で田畑が見られ、その外側の海岸沿いに狭いながらも平地があるため、集落が立地したか。付近は出入りの少ない緩やか砂浜海岸が連なっており、漁港らしいものも見られないため農村集落であることは間違いない。
 茅葺屋根や板張りの家々が構成する風景は個性的で、小さな集落ながら印象的な訪問であった。 
 
 



 
   
 



 

訪問日:2026.04.03 TOP 町並INDEX