米原の郷愁風景

滋賀県米原町<宿場町> 地図  <米原市>
 
町並度 5 非俗化度 9 −新幹線停車駅の裏口にひっそりと息づく北国街道宿場町−
 





米原の町並


 米原というと東海道本線と北陸本線の分岐駅であり、新幹線も駅を構えまた高速道も分岐点となるなど幹線交通の要衝である。駅の構内は広く、乗換えまたは駅に降り立った事のある人であれば町の規模とは不釣合ともいえるその大柄な姿に驚くだろう。明治以降のこの町は鉄道とともに歩んできており、国鉄関係者の形成する町並でもあった。
 交通拠点としての歴史は古く、かつて旅行は全て徒歩であった時代からその位置付けは変わりない。江戸初期の慶長年間に米原港が琵琶湖に開かれ、中山道へ連絡させている。北国街道が通るこの町は、中山道の鳥居本宿からの連絡路が達していて、今でも道標が残っている。鳥居本から数えて最初の宿場町として位置づけられていた。
 新幹線のホームからもこの町並は渋い甍の並びとして見渡すことができる。歩いても5分ほどだ。かつての街道筋には、袖壁を両端にしつらえた伝統的な平入り町家が幾つか残っている。虫籠窓を持つものもあれば、出格子が状態よく残されているものもある。古い町並として連続した家並はそれほど多く残っているわけではないが、古くからこの地は交通の拠点であったことを知るには充分であった。
 中には現在でも営業を続けている旅館もあり、建物の姿も旧街道沿いらしさを留めていた。
 




(2005.4撮影)

※注記の画像以外は2009年7月撮影

訪問日:2009.07.19 TOP 町並INDEX