田井の郷愁風景

京都府舞鶴市【漁村】 地図 
 町並度 5 非俗化度 9  −若狭湾に面する漁村 舟屋が連なる−



 舞鶴市田井地区は市域の北東、若狭湾に向けて突出した半島東岸に位置し北東側に開けた入江に面し、北側の半島先端付近の成生地区と同様昔ながらの漁村の形態を残している。古くからブリの水揚げが盛んで、初ブリは領主に献上されていたという。
 江戸期は丹後国加佐郡に属し田辺藩領で、漁業を主としながら農業も行われ、柿や胡麻、綿などが運上(物品で納める税のようなもの)に挙げられており、このあたりの構成も成生集落と共通している。
 明治期の物産記録ではブリ200本、烏賊1000貫、竹1万本、薪1万貫とあり、それらは舞鶴の市街をはじめ宮津、若狭小浜などに船で運ばれ出荷された。
 集落付近は狭いながらも平地が展開しており、比較的家々の建て方に余裕があるように感じる。家並の間に土蔵、小さな祠などが見られ、中でも特徴的なのが港に接して舟屋が建ち並んでいることだ。しかも成生地区とは異なり駐車場などに転化せず一部には今も漁船が置かれ、現役として使用されている様子だった。










海岸沿いには舟屋が並ぶ風景が見られる



訪問日:2023.10.22 TOP 町並INDEX