牧園の郷愁風景

鹿児島県牧園町【武家町】 地図  <霧島市>
 
町並度 4 非俗化度 7 −旧道に残る麓集落の佇まい−

旧道沿いに残る牧園麓の町並 右はもと郵便局の建物








医院の建物
 
 牧園町は鹿児島湾に注ぐ天降川の支流沿いに中心街が開ける。霧島山系の南西側に位置しており、付近は温泉も豊富な一帯だ。
古くは踊郷と呼ばれており、外城となる前に構えられていた城名も踊城といい、現在の中心街の2km弱ほど南西の丘の上に構えられていた。その奇妙な名称は、しっかりとした城構えのため敵が攻撃してきたときでも踊りを踊ることができるほどだという例えによるのだという。
 国道223号を走ると牧園麓という地名に出会い、バス停もあるが、所々に門が残る程度でさしてそれらしい風景は見られない。一方で西側に回り込む旧道には比較的面影が残っていた。
 南側では端正な生垣や石垣、中心付近には洋風の構えを持つもと郵便局や医院の建物もあった。この界隈は各種商店や宿屋などもあったといい、小規模ながら在郷町的役割があったのだろう。短い区間であり伝統的建物が連続しているわけでもないが、歩いていて様々な歴史を感じる風景に出会うことができる。築100年近いという旧家を改装し、現代風の要素も取り入れた割烹料理店などもあり、この町並に新たな息吹を吹き込もうと地元の方は動かれているようだ。

訪問日:2020.01.03 TOP 町並INDEX