乱橋の郷愁風景

長野県本城村<街道集落> 地図 <筑北村>
 町並度 5 非俗化度 9  -北国西街道(善光寺街道)の間宿-





乱橋の町並(本町)


 
この乱橋地区は松本盆地と長野盆地を隔てる山岳地帯に幾つかある小盆地にあって、かつて北国西街道が通り間の宿(正式な宿駅の扱いを受けていないが旅籠などの設備があり旅人の休泊できるところ)であった。この街道は善光寺街道とも呼ばれ、現在の塩尻市にある中山道の洗馬宿から分岐している。南側には本宿だった会田宿との間に険しい峠越えがあり、峠下の集落として善光寺参りの旅客などがここで旅装を解いたのだろう。
 江戸期は信濃国筑摩郡に属し初期には松本藩領だったが多くの期間が幕府領であった。町は峠側(南側)から上町、中町、本町と呼ばれ、上町は急勾配の街道集落だが、本町に至るにつれ坂は緩やかになる。町並としては小規模な展開ではあるが風情を感じさせる平入りの町家型旧家がある程度まとまって残っている。周囲に目立った集落はなく、この先善光寺側にも峠越えが控えている中で、突如現れるといったこの乱橋集落、商家風の外観の建物がまとまっているのは少々違和感すら感じる。
 街道歩きの客の訪れが多少あるらしく、案内板が幾つか眼についたが小盆地に眠ったような静かな街道集落であった。
 
 
 




乱橋の町並(上町) 乱橋の町並(本町)




乱橋の町並(中町)

訪問日:2014.09.14 TOP 町並INDEX