三留野の郷愁風景

長野県南木曽町<宿場町> 地図 
 
町並度 5 非俗化度 8 −中山道木曽路下四宿の一つ−
 



旧三留野宿の町並
 
 
 三留野宿は中山道の木曽路下四宿(野尻・妻籠・馬籠と当宿)の一つに数えられ、野尻宿より二里十八町、妻籠宿より一里十八町の位置にあった。木曽川の狭い段丘上に街道がのび、宿場町の名残が感じられる。
 南の妻籠宿よりも国道や南木曽駅に近いものの、街道巡りを目的にする人がある程度で、この町並を目的に訪ねる客は少ない。しかしそれでもせがい造りの建物を中心に旅籠や商家に由来すると思われる伝統的な建物が随所に残っていた。二階部分の木製欄干など、明治以降もしばらくの間旅館として営業されていたであろう外観を保持していた。
 本陣・脇本陣各1、旅籠32(天保14年の記録)という陣容で、中山道としてはそれほど大きな宿場ではなかったようだが、大工や山仕事、また造り酒屋を営むものもあり比較的潤ってはいたようだ。しかし、宿駅開設から幾度となく火災に見舞われており、そのことが町としての発展にとって大きな足枷となっていたようで、周辺の諸宿とは異なり町の規模が拡張されることはなかった。
 乗用車がやっとすれ違えるほどの街道はところどころで地形の起伏に従い曲線を描き、また或いはゆるい坂道となり、それらに沿って残る旧家は風情を感じさせるものがあるが、その密度はそれほど高くない。また、地元の人の姿も少なく、少々寂しさを感じるような町並であった。近くには探訪客で雑踏する妻籠宿があることでそのように思わせるのかもしれない。
 
 









訪問日:2011.07.18 TOP 町並INDEX