美江寺の郷愁風景

岐阜県巣南町【宿場町】 地図 <瑞穂市>
 
町並度 4 非俗化度 8 −人知れず残る中山道宿場町の残影−




 美江寺は濃尾平野の北西部、大垣市街から見て北東に位置し、旧国鉄樽見線の樽見鉄道の駅が設けられその周辺に家々が固まっている。樽見鉄道の線路を跨いで、旧中山道が横断しており、美江寺はその宿駅が設置されていたところである。
 加納藩領、幕府領を経て、明和7(1770)年大垣藩の預り地となって維新を迎える。幕末頃の記録では、本陣1、旅籠屋11とあり、600人弱の人口を擁していた。江戸日本橋から56番目の宿場に該当し、そのため町並の東を流れる川を五六川と名づけられたといわれている。
 宿場町は美江神社で東西から南北に直角に折れる逆L字形に展開する。東の河渡宿より一里七町、西の赤坂宿まで二里八町の位置。東西の街路は交通量が比較的多く、旧宿場町らしい家並は希薄だが、神社以南の南北の街路には比較的連続性の高い箇所も残されていた。
 旧中山道の宿場町は比較的着目度も高く、木曽路や信濃路を中心として街道めぐりをする人も多く、旧宿場内には案内標識などが整備されている例も多い。しかしこの美江寺には見られず、ひっそりと淡い残影を残しながら息づいているといった町並であった。
 風化して仕舞わないことを祈りたい。










 



訪問日:2013.08.12 TOP 町並INDEX