北浦の郷愁風景

島根県美保関町<漁村> 地図 <松江市>
 町並度 5 非俗化度 8  −厳かな屋敷型邸宅・旅館なども見られる島根半島北岸の集落−
 






塀や門が巡る広い敷地を持つ邸宅も目立つ北浦の町並


 山がちな地形がそのまま海に没する島根半島北岸の地形。しかし所々に小さな入江があり、漁村集落が散在している。今回紹介する北浦は半島東部にあるそれら漁村群のひとつである。付近の海岸は意外にもなだらかで、砂浜の連なる一帯は夏は海水浴場としても賑わう。
 明治前期の郡村誌『皇国地誌』によると人口584、船73艘とともに田38町、畠32町余りと半農半業の村であった。鰤やイカ、鯖、アワビなどを水揚げし松江に運び込まれ、海苔はおもに米子に運ばれたという。職業戸数は農漁業の兼業が103、工業7、商業1とある。
 西隣の千酌地区と同様に褐色瓦の家々が連なるが、大柄な商家風の建物が目立つのが特徴で古い町並としても見応えのする家並が展開している。長々と連なる塀、立派な構えの門、それらも瓦が葺かれ、ひときわ格式を感じさせるものとなっている。
 所々に旅館の看板も見られる。海岸に面した所にある民宿は海水浴客なのだろうが、やや奥まったところにある宿は通年営業のようにも見える。釣り客や用務客などの宿泊需要があるのかもしれない。
 海岸から見る家々の並びもなかなか壮観で、思わぬ立派な家並を見る思いだ。
 







海岸側より家並を見る




 旅館の看板を掲げる建物  
         


訪問日:2024.09.24 TOP 町並INDEX