三隅の郷愁風景

島根県三隅町【港町・漁村】 地図
 町並度 3 非俗化度 9 −三隅川の河口を中心に発達した町−

   




 古市場の町並 

 三隅町は浜田市と益田市の中間に位置する日本海沿いの町である
(現在は浜田市の一部)。中国山地に源を発する三隅川の河口は古くから港町が発達し、湊浦・古市場などの地名が残り歴史を感じさせる。
 中世は三隅氏が領するところで、蒙古襲来に備えて砦を築き、また益田氏と対立関係にあるなど独自の統治を行っていた。
 江戸時代は浜田藩領。三隅川の上流域では砂鉄が採れ、河口部でも浜砂鉄が採取されたという。漁業で生計を立てる者が多かったが伝統産業の半紙製造に携わる住民も多かった。藩の奨励で行われ、石州半紙として知られていた。
 河口の西側が古市場地区、東側が湊浦地区となる。古市場の名の通り、定期的に市が設けられたのだろう。家並は間口の狭い密集型のたたずまいであった。一方の湊浦地区は、伝統的な建物はわずかしか見られないものの、造り酒屋や洋風建築などのランドマーク的な建物もあり、港を窓口とし商業が栄えた時代を想起させる。木造の学校建築もあった。




湊浦の町並




湊浦の町並 古市場の町並

 


訪問日:2015.07.19 TOP 町並INDEX