美袋の郷愁風景

岡山県総社市<宿場町・河港町> 地図 
 
町並度 4 非俗化度 10 −松山往来の宿駅及び物資の積出港として発展−



 美袋(みなぎ)地区は総社市域の北部、高梁川左岸にあり伯備線の駅が設けられている。
 中世にはみなき荘という荘園名が見え、江戸期に入ると松山城(高梁)に向う松山往来と、松山藩の港であった玉島とを結ぶ往来の分岐点にあたり、宿駅が設置されていた。また、高梁川の渡船や荷の積出も行われており、それらを背景に本陣も構えられた本格的なものであった。また旅籠屋も6軒あり、問屋もあり賑わいを示していた。 






 
 高梁川沿いは山陽道筋と高梁や新見をはじめとした備北地方とを結ぶ重要なルートであり、明治に入ると県道が整備され荷馬車や人力車が往来しますます繁栄を見たようだ。その後国鉄伯備線が建設されると拠点としての役割は終わり、美袋駅は普通列車のみが停車する小さな駅となっている。
 高梁川の堤防上を通過する国道180号線から東に折れるとかつての松山往来の道筋が姿を現してくる。古い建物の多くは明治後期から大正にかけて建てられたと思われる造りで、店舗だったであろう建物も多く、また一部には土蔵を従えた敷地の広い邸宅もある。古い町並として連続した部分は少ないものの、歴史が刻まれた落着きを感じさせる。
  





訪問日:2012.02.05 TOP 町並INDEX