水俣の郷愁風景
熊本県水俣市【港町】 地図 町並度 3 非俗化度 8 −肥後最南端の港町 塩田が栄えた− |
浜町の町並(徳富蘇峰生家) | |
水俣市は県南部、水俣川の下流部に市街地が開け、西は八代海に面している。 江戸時代には薩摩との国境に面していたことから軍事上重要な拠点で、関所が設けられたほか、戦時には水軍として徴用される水夫が74名、舟も74隻が常備されていたという記録がある。 港町としても発展したが、産業として製塩業が発達したことがそれを後押しした。最盛期には農家200軒余りも農閑期の副業として駆り出されるほどであった。製品は主に肥前方面に輸出され、島原の素麺加工などにも使われた。また反対に素麺製品をはじめ、畳・瀬戸物などが陸揚げされ、海上交易が発達した。 現在の旧市街の中で、特筆されるのが浜町にある徳富蘇峰生家の建物だろう。1790年築と県内で最も古い町家建築とされており、復元工事を経て公開されている。明治期後半からは西村家代々受け継ぎ、各種商業を行った。平入りと妻入りの町家が並び、庭園を囲むように土蔵が配置され、外側からは敷地の奥行深さとともに豪壮な邸宅であったことが理解できる。なお徳富氏は、文豪やジャーナリストとして明治から大正にかけて活躍した。 この浜町界隈を中心に古い建物が散見されるものの、古い町並と呼べるほどの連続性やまとまりが乏しい点が惜しまれるところである。 |
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訪問日:2017.06.10 | TOP | 町並INDEX |
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