阿万の郷愁風景

兵庫県南淡町<農村集落> 地図 <南あわじ市>
 
町並度 5 非俗化度 7  −石積の路地風景が見られる南淡路の町−

 



 
商店街が展開する阿万北町の中心街 
 淡路島南部、阿万地区は広々と展開する農村地帯で、南側は鳴門海峡の南側で塩屋川・本庄川という二本の河川が流れ込んでいる。
 平安時代後期には阿万荘という荘園が置かれており、荘域は論鶴羽山や沼島も含まれていた。
 
  阿万北町の造り酒屋
   

 本庄川を1.5kmほどさかのぼった阿万上町地区にある亀岡八幡宮は、その創立は明らかではないが荘園と関係あるものと考えられている。この地区は地区の中心として商店街が展開し、古い構えを持つ店舗や造り酒屋などが見られる。
 この阿万北町エリアで特徴的な集落風景がある。石積に囲われた路地である。他の島内の町では基本見られない風景であり、特筆すべきものといえる。県のHPでも「淡路島百景」に準じる景観として紹介されている。亀岡八幡宮の北側から東側にかけて、商店街の通りを挟んで西側にも展開し、路地の両側に石塀が見られるところもあって、なかなか壮観な眺めとなっている。
 この地区で江戸後期から明治初期に開墾が行われた際に大量の岩石が出たため、集落の民家や寺社の塀に用い始めたためという。粘土で練石積としてあり、天端部に瓦を葺いており、高さも2m前後はあるのでなかなか壮観だ。
 この石積の風景はネットを通じて比較的知られるところとなっているようで、今後もその価値を活かし、歴史の証明を伝えるものであってほしいものだ。
 



 
   
 



 
特徴的な石積の路地

訪問日:2024.11.30 TOP 町並INDEX