南三原の郷愁風景

千葉県和田町【農村集落】 地図 <南房総市>
 
町並度 4 非俗化度 8 −緑濃い生垣に覆われた房州の集落−


松田・海発の町並


 房総半島の南部、太平洋に面する和田地区。内房線や国道128号線が域内を通るが優等列車や専用道はなく、比較的長閑さの感じられる地域である。
 産業は古くから半農半漁で、享保5(1720)に和田村が保有していた船は既に65艘という記録があり、漁獲は干鰯・干鮑に加工された。鮑は清国向けにも販売されていたという。
 一方花卉栽培の歴史も古く、明治中頃といわれる。大正期には生花組合が設立され、東京の生花市場とも取引が行われていた。また河川流域での米作、丘陵地帯では酪農も行われてきた。
 今回掲載するのは国道128号線沿いを中心に見られる生垣に囲われた集落風景である。房総半島でこうした生垣が発達した集落がしばしば眼につき、主に千葉県の木となっているイヌマキの植え込みによる。温暖な気候条件を好み、葉の密集度が高いために防潮、防風、防火効果が高いため生垣には好適な樹種といえよう。
 国道に面したところだけではなくその脇道にも所々生垣が発達しており、いずれもよく手入れされ見映えがする。
 









訪問日:2016.05.01 TOP 町並INDEX