南斎院の郷愁風景

松山市南斎院【農村集落】 地図
町並度 5 非俗化度 8 −住宅地に忽然と長屋門が出現する−



長屋門が多数連続した珍しい風景が展開する南斎院の風景


 松山市の中心部は伊予鉄道の松山市駅付近で、JRの駅周辺は既に少し外れとなる。とはいえここは松山駅からも車で10分ほどしか離れていない地区であるのに、畑の背後に突如として長屋門の連続する異様な風景が出現する。長屋門は通常格式高い武家に見られるものであり、後に明治以後になり一部の裕福な農家にもそれを模した造りが見られるようになったものと思われる。これが連続した風景は極めて貴重なものといえよう。
 この付近を含むかつての斎院村は、特に商工業が古くから発達していたり、武家町であったわけでもない。松山城下から港町に通じる街道に面してはいたが、城下町の周囲に点在する農村の一つであったと思われる。
 松山市付近にはこの他にも長屋門を持つ敷地の広い屋敷が、特に市街周縁部に目立つ。その中で特にこの南斎院地区が密度濃いため、近年注目を集めている。
 長屋門と土塀、土蔵を配した景観は全くの農村風景であり、それが都市近郊で見られることに高い価値があり保存の価値は十分見出される。全て個人の所有となっており現役の住居で、門の中には自家用車が置かれ、広い庭があり母屋の入口がその奥に見えた。用水路も縦横に巡り農村そのものの風景であった。








長屋門を裏路地から見る





訪問日:2008.02.11 TOP 町並INDEX